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モギと申します。小説や映画、その他もろもろの感想を書き殴ってます。評価は、★5つで満点です。


by hasi009
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西澤 保彦 「七回死んだ男」

主人公の「久太郎」は、時間の反復を認識できるという、タイムトラベラーとでもいうべき能力を持っていた。ただし、久太郎にはその回数や時間の反復が始まる時間を制御することはできない。そんな久太郎の家族と親戚が集まった新年会で、久太郎の祖父が殺された。
犯人は誰か?そして、久太郎は殺人を防ぐことができるのか―――――。

 
数多くミステリー読んできましたけど、ミステリーの主人公が時間を反復できるという能力を持っているという設定は多分初めてです。

かなり奇抜なアイディアですが、なかなか上手く話が展開されていくので、面白く話を追っていくことができます。

祖父の死を止めようとする主人公の孤軍奮闘ぶりに加えて、それに祖父の財産争いや、祖父と娘達の過去の遺恨をからめていることで、話に幅をもたせているところなんかは上手いと思いますね。

 
 
以下、ネタバレですが。 
 
 
 
 
主人公の能力を上手くミステリーに生かして、そして最後に実は主人公が一度死んでいた―――――というどんでん返しは実に素晴らしいアイディアだと思います。

・・・がしかし。

それが、久太郎あこがれの人の言葉で真相が明らかになる―――――という部分にはかなりの違和感を覚えていました。

久太郎の能力は現実には信じがたいことで、それを一度聞いただけの人がそれを理解して、久太郎が一度死んでいたんですよ、なんて結論を導きだしてしまうというのはなんか不自然というか、無理があるなぁ・・・という感じがしました。

どうせなら、実は時間の反復を認識できる人間がもう一人いて、

「久太郎、実は君は一度死んだんだ」

といった方が良かったかな、という気がしますがどんなもんでしょう?(・∀・;)


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by hasi009 | 2004-12-14 17:02 | 小説