モギと申します。小説や映画、その他もろもろの感想を書き殴ってます。評価は、★5つで満点です。


by hasi009
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桐生夏生「柔らかな頬」

 北海道支笏湖の別荘地で謎の幼児失踪事件が発生した。母親のカスミには、誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。四年後、ガン宣告を受けた元刑事、内海がカスミに捜査の協力を申し出る。三十四歳、余命半年。死ぬまでに、内海の想像力は真実に到達できるか。そして、カスミと内海の行き着く先は―――――。

 直木賞受賞作。なんとか賞を受けた作品ってイマイチな物が多いんですけど、これは 面白かったです。読み終わったあとは放心状態。以下はネタバレとか含むんで、読んでない人はどこか他のブログへいってくださいw

 最初は、ミステリーとしての謎・・・つまり幼児誘拐犯人の正体は誰なんだろう?という興味で読んでいくわけですが、そんなものは途中でどうでもよくなります。

 女として、母親としての本能のままに生きるカスミ、生涯をかけてつかんだ捜査一課の刑事という立場を病気で失い、ほとんどやけっぱちになっている内海の生き様がすごいというか凄まじいというか。

 最後の方は、結局真犯人をぼやかしていますが、やっぱりそれはどうでも良かったですね(だいたい見当はつきますが)。有香ちゃんがどうして外へ出ていったのか、その真実の痛々しさはなんといって表現していいやら。

 結局、カスミも、内海も、もちろん有香ちゃんも救われないですが、こういった救われない小説(例えば模倣犯とか、白夜行とか)にたまらない魅力を感じてしまう私はどこか病んでるのかなー(・∀・;)

「OUT」もそうだけど、桐生夏生の小説には独特のテンポと雰囲気がありますね。暗い井戸の底で奏でるベースの音みたいな。


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by hasi009 | 2004-10-28 20:05 | 小説